日本内科学会雑誌
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発汗低下,起立性低血圧など自律神経障害を呈した多発性骨端異形成症の兄弟例
森豊 隆志北島 勲中川 正法出雲 周二納 光弘井形 昭弘
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1988 年 77 巻 7 号 p. 1062-1066

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抄録

発汗低下,起立性低血圧など自律神経障害を呈した多発性骨端異形成症(以下MEDと略す)の兄弟例を経験した.症例1. 25才,男性.両親はいとこ結婚.生後より発汗低下. 15才までに三度下肢骨折,両側足関節に骨様の膨隆を認めた.症例2. 27才,男性.症例1の兄.小児期より骨端部の形成不全を認めた.本症例はX線学的に膝関節および足関節の骨端部に形成不全を認めMEDと診断された.症例1は発汗低下と共に汗腺数の軽度低下を認めた.さらに,交感・副交感神経両方の障害も確認された.症例2も起立性低血圧と発汗障害の合併が認められた. MEDと自律神経障害を合併した報告は今までになく,新しい型の疾患概念の可能性について論じた.

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