日本内科学会雑誌
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播種性血管内凝固症候群,多発性脳塞栓,真菌性血栓性心内膜炎を合併した胃癌の1剖検例
中根 博吉田 富士男岡田 靖佐渡島 省三石束 隆男井関 邦敏藤島 正敏恒吉 正澄
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1989 年 78 巻 4 号 p. 523-526

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抄録

72才,男,昭和62年6月,右片麻痺,感覚性失語症をきたし脳梗塞と診断された.治療中,播種性血管内凝固症候群(DIC),脳梗塞の再発,心内膜下梗塞,腎不全,消化管出血,菌血症など多彩な全身症状を呈し, 10月呼吸不全のため死亡した.剖検により,胃低分化腺癌,多発性脳梗塞および梗塞巣内への腺癌の転移,心内膜下梗塞が認められた.また僧帽弁の非細菌性血栓とともに大動脈弁にはカンジダ性血栓の形成がみられ,多臓器塞栓症の原因となったと考えられた.悪性腫瘍, DIC患者における真菌性血栓性心内膜炎の合併と,胃癌の脳梗塞巣への転移はいずれもまれとも思われ,その機序について考察した.

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