78 巻 (1989) 4 号 p. 573-574
症例は61才,男性.発熱,黄疸,肝腫大, II度の肝性昏睡,血清GOT 9130, GPT 6325IU/l, T-Bil 11.1, IgM 760, IgG 2150mg/dl, IgM抗HAV抗体陽性などより重症A型肝炎と診断した.なお血中にIgG・λ型M成分および末梢血リンパ球のT4/T8比0.7, PHA低値を認めた.入院後著明な胆汁うつ滞性黄疸に加え貧血増強,肝障害時の赤血球膜脆弱化による溶血の合併が考えられたためプレドニゾロンを投与,約1カ月で症状所見の改善をみたがIgM抗HAV抗体長期持続陽性を示した.本例の免疫異常と関連して興味深い.