日本内科学会雑誌
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著しい蛋白喪失性胃腸症と腎不全を認め, dimethylsulfoxideが著効を示した続発性アミロイドーシスの1例
大歳 健一増井 秀久梶原 喜三土山 晴也大中 宣之原 正浩大岩 信之森 俊雄永井 清保山口 桂植松 邦夫磯部 敬
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1989 年 78 巻 7 号 p. 919-924

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抄録

症例は58才,女性.慢性関節リウマチ(RA)の経過中に,悪心・嘔吐と下痢を主訴に来院した.入院時軽度の腎機能害と,著明な低蛋白血症がみられた. 131I-HSAを用いた蛋白喪失試験は21.6%と高値を示し,蛋白喪失性胃腸症による低蛋白血症と考えられた.また直腸粘膜生検ではamyloid A (AA)型アミロイド沈着を認め, RAに伴う続発性アミロイドーシスと診断した.入院後は急激な腎機能の悪化がみられたが, dimethylsulfoxide (DMSO)投与により, serum amyloid protein A (SAA)の低下と共に,腎機能,下痢,低蛋白血症も著明な改善がみられた.本症例の様に急激な進行を示す続発性アミロイドーシスに対しては,早期にDMSOを投与し,継続することが予後を改善させるものと思われた.

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