日本内科学会雑誌
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Human leucocyte antigen (HLA)-DRとの相関がみられ,原発性胆汁性肝硬変を合併したCREST症候群の2例
小山 孝規兼岡 秀俊柳瀬 圭史車 忠雄大田 明英緋田 めぐみ山口 雅也只野 壽太郎
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1989 年 78 巻 9 号 p. 1315-1318

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抄録

CRRST症候群にPBCを合併した2症例と組織学的検査の機会は得られなかったが,同様の胆汁うっ滞型肝障害を合併した不全型CREST症候群の1症例を経験した.この3例について免疫学的側面より検討を行い,さらにHLA検査を施行した.その結果,従来,日本人においては強皮症とHLA-DRw8, PBCとDR2あるいはDR9と遺伝的相関があるとされているが,今回の症例は全例とも,このDRw8とDR2あるいはDR9とを有していた.このように,少数例ながら自験3症例は強皮症とPBCそれぞれの遺伝因子を共有しており,これが本邦においてはまれとされる強皮症とPBCとの合併の共通した免疫遺伝学的背景になっている可能性を示唆した.

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