日本内科学会雑誌
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5.特殊な病態の臨床と治療5)ループス膀胱炎の概念
小池 隆夫高林 克日己
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1990 年 79 巻 10 号 p. 1408-1411

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抄録

消化器症状,中枢神経症状とともに,間質性膀胱炎を有する全身性エリテマトーデス(SLE)の存在が明らかとなり,「ループス膀胱炎(lupus cystitis)」と呼称することが提案された.本論中に自験例を呈示し,ループス膀胱炎の概念を紹介した.いまだループス膀胱炎の報告例は少なく,病因も不明であるが,多くの症例は副腎皮質ホルモンに良く反応する.しかし,なかには萎縮膀胱・水腎症をきたし,腎瘻を必要とし,ついには不幸な転帰をとる症例もあり,早期診断,早期治療が不可欠である.

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