日本内科学会雑誌
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4.巨赤芽球性貧血診療の現状
坂本 忍
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1990 年 79 巻 5 号 p. 598-607

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抄録

巨赤芽球性貧血はプリン,ピリミジン代謝経路の障害によりデオキシヌクレオシド合成が障害され造血細胞のDNA合成の異常が生じその増殖障害により無効造血が共通の異常として存在する貧血の総称である.その原因として造血ビタミンであるビタミンB12欠乏によるものが本邦では主体であり,その他葉酸欠乏によるものである.診断の手がかりは大球性貧血と血清ビタミンB12ないし葉酸の低値であり,骨髄で巨赤芽球性造血が確認されれば診断は確定する.本症の診断の手順,診断に必要な検査について現状を解説したが,近年血清ビタミンB12の定量がradiodilution assayにより簡単に行えるようになりビタミンB12は低値を示すが巨赤芽球性貧血を認めず,精神障害を主微とする非典型症例の存在が指摘され, deoxyuridine suppression試験が軽微な異常の検出に有効であり,食物中のB12吸収障害が原因と考えられ,注意が必要である.

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