日本内科学会雑誌
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9.貧血の骨髄移植療法
小寺 良尚
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1990 年 79 巻 5 号 p. 646-651

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抄録

骨髄移植(BMT)は重症複合免疫不全症や再生不良性貧血等,もともと造血機能が欠損低下している患者および,白血病やリンパ腫において腫瘍細胞を根絶するための大量化学放射線療法の結果,骨髄も廃疾に至らざるを得ない患者を救う治療法である,骨髄提供者は現在のところ,ヒト主要組織適合抗原(HLA)が患者と一致した同胞が主体であり, 1010以上の骨髄有核細胞をあらかじめ拒絶反応を起こさぬよう前処置された患者に静脈点滴する.移植骨髄細胞が生着し機能を現わすまでにほぼ1ヵ月かかるが,その間患者は無菌環境にて管理される.移植片対宿主病(GVH-D)等の合併症は依然脅威ではあるが手技の改良,新薬の開発はそれを克服しつつある.再生臓器であり,したがって提供者に負担の少ないBMTは難治血液疾患や癌の根治を望み得る治療法として普及しつつある.

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