日本内科学会雑誌
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7.消化性潰瘍の再発因子とその予防
小越 和栄
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1991 年 80 巻 1 号 p. 37-40

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抄録

消化性潰瘍,特に胃潰瘍は脆弱な再生上皮の部分に高率の再発を起こす疾患である.したがって,脆弱な再生上皮である赤色瘢痕から,比較的丈夫な再生上皮である白色瘢痕に至るまで維持療法が必要である.さらに,胃潰瘍では再発を起こし易い個体側因子と,患者の習慣や環境で変わる因子とがあり,これらの因子の多い患者は潰瘍が白色瘢痕化しても再発のリスクが高い.したがって,睡眠不足,過労,喫煙などの環境,習慣因子を取り除いてやることも潰瘍再発防止に有効である.

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