日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
ISSN-L : 0021-5384
ネフローゼ症候群を発症し糸球体にIgA沈着を認めた肝硬変の1例
内田 多久実髭 修平開田 博之水越 睦朗小池 章之上田 峻弘深沢 雄一郎
著者情報
ジャーナル フリー

1991 年 80 巻 11 号 p. 1821-1822

詳細
抄録

症例は51歳,男性.肝硬変で食道静脈瘤シャント術施行後6年目に,著明な腹水貯留で入院した.尿蛋白が5.6g/日,血清蛋白が5.1g/d1のネフローゼ症候群(以下NS)と, 789.4mg/dlの血清lgA高値を認めた.腎生検は,光顕で, mesangiumの増殖性変化と毛細管係蹄壁(以下GBM)の二重化を,蛍光抗体法で, IgA, C3のmesangium領域とGBMへの顆粒状沈着を,電顕で, mesangium領域とGBMへのelectron-dense depositsの沈着, mesangial interposi-tionを認め, membranoproliferative glomerulonephritis(以下MPGN)様の糸球体病変を示した.肝硬変に伴う糸球体病変に関する多数の報告で, IgAの関与が明らかにされているが,本例はNSで発症した典型的な例と考えられた.

著者関連情報
© (社)日本内科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top