日本内科学会雑誌
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分子相同性と自己免疫
山本 一彦
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1991 年 80 巻 11 号 p. 1833-1837

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抄録

自己免疫疾患の発症機序の一つとして,外来微生物と自己の成分との抗原エピトープの一致,すなわち分子相同性が考えられている.微生物がホストの抗原と相同性を持つことの意味など,まだ十分に分かっていない点も多いが,このような免疫学的交差反応は頻度としては少ないものではない.分子相同性により疾患が起こると推定されているものの中には,かなり臨床的にも因果関係の明らかとなっているレンサ球菌とリウマチ熱なども含まれ,さらに脊椎関節炎におけるHLA-B27と細菌抗原との関係も注目されている.また最近では,全身性自己免疫疾患で出現する自己抗体についても,その対応抗原のエピトープ中にウイルスとの相同部分があることが指摘されている.現時点では,完全には因果関係が明らかでないものも多いが,今後自己免疫疾患の発症機序を考える上で重要な現象であると思われる.

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