1991 年 80 巻 2 号 p. 174-178
血清カリウム(K)の異常は日常の臨床上最もみられやすい電解質異常であり,高K血症も低K血症もともに生じやすい.このうち高K血症は症状に乏しいが,著明な高K血症は心臓への影響が問題であり,突然死の原因ともなるため,早急な対応が必要である.低K血症は,四肢麻痺や脱力あるいは倦怠感で気づかれることが多く,心筋への影響もあるが,高K血症ほどの緊急治療を要することは少ない.しかし,できるだけ早く正常範囲に改善させた上で,根本原因を治療することが望ましい.