1991 年 80 巻 6 号 p. 860-865
血小板機能異常症は,血小板の粕着,凝集,放出などの止血機能が障害されるため起こる.本症は先天性,後天性の多くの疾患に伴う.病因としては,アラキドン酸代謝障害,細胞内Ca++の低下,顆粒の消失などがあるが,ここでは膜糖蛋白異常を中心に, Bernard-Soulier症候群,血小板無力症,あるいは後天性血小板機能異常症の病態について述べた.本症は出血傾向は軽度のものが多く,治療を要さないものがあるが,必要に応じて血小板輸注, DDAVP投与,投与薬物の中止などを行う.