1992 年 81 巻 1 号 p. 122-126
神経系,内分泌系,免疫系などの調節系は多様な臓器で多彩な調節を行っている.しかし細胞レベルでそれらの調節様武をみると三者は極めて類似した機構によって細胞機能を修飾していることがわかる.情報を伝える物質であるエューロトランスミッター,ホルモン,サイトカインなどは標的細胞の細胞膜にある受容体に結合する.受容体に伝わった情報は増幅され,細胞内に二次情報(セカンドメッセンジャー)が産生される.二次情報としてはカルシウムイオンやサイクリックAMPなどがあり,これらによってさらに蛋白燐酸化反応などが惹起されやがて効果が発現する.こうした情報伝達機構の障害によって起きる病態も多く存在する.