81 巻 (1992) 11 号 p. 1806-1812
高比重リポ蛋白(HDL)は動脈硬化の防御作用を有し,その低下や欠損が動脈硬化の発症に強く関連することが報告されてきた.これはHDLが末梢から余剰のコレステロールを抜き出し肝臓へ運ぶコレステロール逆転送系の主役をなしているからであり,その代謝異常にはLCAT等の異常が関与する.さらに私達はHDLが異常に高値を示す場合にも脂質蓄積を伴う病態が存在することを見出し,これらがコレステロールエステル転送蛋白や肝性リパーゼの異常に基づくことを明らかにした.本稿ではこれらの病態をもとにコレステロール逆転送系の詳細を示し, HDLの動脈硬化防御における役割を考察する.