日本内科学会雑誌
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胆〓癌肉腫に総胆管癌を合併した1例
中沢 貴秀外山 久太郎土屋 直隆内藤 吉隆本間 二郎野登 誠中沢 秀昭高田 一太郎金山 正明那須 義篤佐野 仁勇
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1992 年 81 巻 6 号 p. 908-910

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抄録

症例は63歳,女性.悪心を主訴に来院.腹部所見,血液化学検査,腫瘍マーカーでは異常を認めなかったが,腹部超音波検査, CT scanでは,胆〓底部にくびれを有する立上がりの明瞭な隆起性病変を認めた. ERCPでは中下部胆管壁は不整,胆〓は軽度腫大を示し,胆〓底部に大きさ34×35mmの不整型の陰影欠損を認め,一部に濃淡の差が見られ,腫瘍のくびれが示唆された.胆〓癌,および総胆管腫瘍の診断で胆摘術,膵頭十二指腸切除術を施行した.病理組織所見では胆〓腫瘍は中分化型腺癌と異型性の強い間葉系細胞からなり,両者に移行像は認められず,真性癌肉腫と診断.総胆管腫瘍は高分化型腺癌像を呈した.胆〓癌肉腫は国内外で報告例は少なく,また,本例のように総胆管癌との合併は極めてまれであるため,興味深い症例と思われ報告する.

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