1992 年 81 巻 7 号 p. 1046-1052
成人急性リンパ性白血病(ALL)は完全寛解が得られても再発しやすく骨髄性白血病よりも難治性である.したがって,完全寛解率および長期生存率を高めるには強力な導入療法と地固め療法,維持療法, CNS白血病の予防がプログラムされた治療が必要である. ALLは白血病細胞の表面マーカーにより, C-ALL, B-ALL, Null-ALL, T-ALL,およびmixed lineage leukemiaのphenotypeに分けられ,それぞれのタイプにより薬物効果の違いが認められる.また,染色体異常(Ph1染色体),年齢,初診時の白血球数なども予後に重要な影響を及ぼす.