日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
ISSN-L : 0021-5384
Pimobendan追加療法,さらにはdenopamineとの併用追加療法が著効を示した難治性心不全期における拡張型心筋症の1例
藤田 俊夫津田 隆志野中 麗永宮島 武文田中 吉明小玉 誠和泉 徹柴田 昭
著者情報
ジャーナル フリー

1992 年 81 巻 7 号 p. 1108-1110

詳細
抄録

症例は55歳,男性.拡張型心筋症(DCM)によるNYHAIV度の左心不全にて入退院を繰り返し, 4回目の入院に際し, pimobendan追加療法により著明な臨床症状の改善を認め退院した.その半年後,再び著明な下腿浮腫・高度三尖弁逆流を示すNYHA IV度の心不全出現により入院. furosemide 240mgまでの増量でも浮腫は改善せず, dobutamine持続静注により尿量の増加と浮腫の軽減を認めた.しかし,連日投与では耐性が出現するため, denopamine内服に変更し, pimobendanとの併用追加療法を開始した.尿量増加,体重減少は維持され,浮腫は併用追加療法3週後に完全に消失した.

著者関連情報
© (社)日本内科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top