日本内科学会雑誌
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7.内分泌・代謝系疾患
網野 信行柏井 卓
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1993 年 82 巻 4 号 p. 534-538

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抄録

内分泌代謝疾患は臨床症状のみからその軽症例を診断することは難しく,逆に臨床検査をうまく利用すると確実な診断がつけられ,検査の重要性が疾病診断において極めて重要な位置を占める.各種ホルモン測定は,従来のラジオイムノアッセイ(RIA)からイムノラジオメトリックアッセイ(IRMA)法や化学発光イムノアッセイ法の導入により高感度測定法が実現した.そのため,従来,血中ホルモンが高値を示す疾患のみ診断されていたが,異常低値または抑制されている値を健常人と識別して診断することが可能となり,臓器の機能亢進のみならず,機能低下も容易に診断可能となりつつある.さらに高感度化のため,低濃度の尿中ホルモン測定が可能となり,成長ホルモン(GH)測定で応用されている.代謝疾患,とりわけ糖代謝異常,カルシウム代謝異常を示す病態にも新しい検査項目が次々と導入されている.本項では,比較的頻度の高い甲状腺疾患,及び糖代謝異常疾患を中心に最近の検査につき述べる.

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