日本内科学会雑誌
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1.気道切開例(気管内挿管)
力富 直人
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1993 年 82 巻 8 号 p. 1215-1220

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抄録

老人病院における気管切開患者の院内感染は緑膿菌などのグラム陰性桿菌のみならず, MRSAも問題である.その原因として食事が経口的にできない長期臥床状態の重症患者の上気道にこれらの菌が定着してaspirationにより下気道へ落込むことが示唆された.またこれらの重篤な患者は感染が頻回に(1.5回/月)おこるため注射用β-ラクタム薬などの抗生物質の使用頻度が著明に(p<0.02~0.001)高いのでMRSAが選択されやすく,また低栄養状態で褥瘡の保有率も高かった(p<0.02~0.001).鼻腔,咽頭のイソジン®消毒と褥瘡ケアの改善,病棟の消毒や職員の院内感染対策により気管切開患者を含む重症患者からの緑膿菌の分離頻度は60%に, MRSA感染頻度は32%に減少した.

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