83 巻 (1994) 1 号 p. 16-21
心ポンプ機能障害の主因として収縮不全,拡張不全が問題になる.これら病態の評価法および病因について言及した.収縮不全,拡張不全は併存することが多いが,病因により関与の度合いは異なる.指標として心室圧・容積関係を用い,収縮不全では収縮末期圧・容積関係が右下方に偏位すること,拡張不全では拡張期圧・容積関係は左上方に偏位することと各々の臨床症状との関連を示した.最近の分子生物学的知見により得られた心筋細胞内の収縮・弛緩のメカニズムと収縮および拡張不全の関連についても触れた.治療に際しては収縮不全ばかりでなく拡張不全に配慮せねばならない.