1994 年 83 巻 11 号 p. 1979-1981
症例は67歳,女性.約10年間の進行性の両下肢筋力低下と逆シャンペン瓶型筋萎縮のためhereditary motor sensory neuropathy (HMSN)を疑われて入院.腰椎単純写真側面像でscalloppingを認め,髄液蛋白は高値で,頭蓋内圧亢進症状も加わったため脊髄腫瘍を考え脊髄MRIを行い,第1から第3腰椎レベルの馬尾神経を中心に硬膜内腫瘍を認めた.本症例は脊髄腫瘍に特徴的な症状を欠き,長期にわたり逆シャンペン瓶型筋萎縮を呈した興味深い1例と考えられた.