甲状腺機能亢進症状を伴い,血中T4, T3が上昇を示しながら,血中TSH値の低下しない症例が認められる時, TSH産生腫瘍及び下垂体性甲状腺ホルモン不応症などが考えられる. TSH産生腫瘍ではTRHに対するTSH分泌反応が悪く,血中TSHα/TSHモル比の上昇,プロラクチン等の他の下垂体ホルモン分泌亢進が認められることが多い. TSH産生腫瘍の原因として種々の遺伝子異常発現が推定されているが,現在のところ不明である.治療としては下垂体腫瘍摘除術が行われるが再発する例も多く, octreotide, triacの投与効果が認められる.