日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
ISSN-L : 0021-5384
抗好中球細胞質抗体(ANCA)と糸球体腎炎
長澤 俊彦
著者情報
キーワード: ANCA関連腎疾患
ジャーナル フリー

1994 年 83 巻 12 号 p. 2173-2178

詳細
抄録

ANCAは壊死性半月体形成腎炎を始めとする種々の炎症性腎疾患,壊死性血管炎の早期診断とその病態を考える上に極めて重要な自己抗体である.血清中のANCAは蛍光抗体法でスクリーニング的に検出できるが,最近は,好中球細胞質の一次・二次顆粒中に存在する種々の抗原別にELISAによりsubsetを定量的に検出できるようになった.腎炎,血管炎との関係でとくに重要なsubsetは, proteinase-3 ANCAとmyeloperoxidase ANCAである.前者はWegener肉芽腫症の疾患標識抗体であり,後者はpauci-immune型半得体形成腎炎や顕微鏡的PNで高率に陽性を示す.いずれのANCAも抗体それ自身が腎障害をおこすのではなく,糸球体毛細血管や細小動脈壁に好中球が接着し,そこで炎症性サイトカインと共軛して好中球を活性化させて,蛋白分解酵素を放出し,活性酸素種を産生させるために組織障害性を示すとみなされている.

著者関連情報
© (社)日本内科学会
前の記事
feedback
Top