1994 年 83 巻 9 号 p. 1676-1681
(1) インスリン受容体遺伝子変異はType A, Leprechaunismなどのいわゆるインスリン受容体異常症の原因となり,高度のインスリン抵抗性を引き起こしうる.
(2) 一般のNIDDMと区別のつかない症例の中にインスリン受容体遺伝子変異が認められる.
(3) インスリン作用のセカンドメッセンジャーの1つであるインスリン受容体基質-1 (IRS-1)の異常はインスリン抵抗性を引き起こしうる.
(4) 白人でNIDDMに認められたIRS-1遺伝子変異は日本人では必ずしもNIDDMの発症との関与は証明出来なかった.今後NIDDMでIRS-1分子の他の変異を検討する必要がある.