日本内科学会雑誌
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5.急性腎不全の透析
岸本 武利
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1995 年 84 巻 10 号 p. 1637-1642

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抄録

急性腎不全(ARF)においては腎機能が回復するまで何らかの方法で腎機能を代行しなければならない.それが各種血液浄化法である. ARFは病因により患者の状態が異るので,それに応じて治療計画を立て,治療計画に適した血液浄化法を選ばなければならない.単なる循環不全から来た利尿薬抵抗性浮腫にはCAVHを,腎不全のみで他に合併症がない場合には間歇的なHD, HDFやHFが適応される.腎不全に感染,消化管出血等が合併したり,多臓器不全で循環動態が不安定かつ異化亢進が強く,溶質除去と共に大量の輸液を必要とする場合には持続的腎補助であるCHDやCHDFが適応となる.この際用いる透析液,補充液の組織に留意が必要でアシドーシスの補正には重炭酸塩が望ましい.

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