1995 年 84 巻 3 号 p. 342-346
軽・中等症高血圧患者を対象としたいくつかの大規模介入試験により,高血圧治療を早期から開始する価値が明らかにされ,高血圧に関する米国合同委員会の第5次勧告もWHO/国際高血圧学会の委員会による治療指針でも,これまでよりもさらに早くから高血圧治療を開始することを勧めている.また高齢者高血圧の治療価値も認められ, 80歳までは治療対象とされるようになってきた.実際の治療に際しては,非薬物療法の重要性が強調され,降圧薬としては,利尿薬, β遮断薬のほか, Ca拮抗薬,アンジオテンシン変換酵素阻害薬, α1遮断薬およびαβ遮断薬の6剤が第1次薬として推奨されている.