1995 年 84 巻 4 号 p. 557-561
血行再建術の適応となる主なめまいは,椎骨脳底動脈系の循環障害(椎骨脳底動脈循環不全)によって起こるめまいである.椎骨脳底動脈循環不全は通常,他の神経症状を伴うことが多いが,めまい単独で発症することもまれではない.現在,鎖骨下動脈から椎骨動脈,脳底動脈に至る椎骨脳底動脈系の狭窄または閉塞性病変に対し,脳梗塞の発症を予防する目的で様々な血行再建術が試みられている.しかし頸動脈系に比べその適応や有効性に関する評価は定まっておらず,今後に残された課題が多い.