日本内科学会雑誌
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4.薬物性潰瘍
岡山 直司伊藤 誠
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1995 年 84 巻 6 号 p. 864-867

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抄録

消化性潰瘍の原因となる薬物で最も頻度の高いものは非ステロイド性抗炎症薬であり,ついでステロイド,抗生物質,抗悪性腫瘍薬などがあげられる.胃粘膜障害を惹起する病態が最も解明されている薬物も非ステロイド性抗炎症薬で, 1)胃粘液減少, 2)胃粘膜内プロスタグランジンの減少, 3)胃粘膜細胞の増殖抑制, 4)胃運動亢進などが主な機序と言われている.また,ステロイドによる胃粘膜障害は, 1)胃粘液および胃粘膜細胞回転の減少, 2)胃粘膜内プロスタングランジンの減少, 3)胃液分泌亢進, 4)抗肉芽作用などが成因とされている.他の薬物による胃粘膜障害の機序は現在も不明の点が多い.

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