日本内科学会雑誌
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2.血管炎症候群と多発性単神経炎
長澤 俊彦高梨 朝子簑島 忍
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1996 年 85 巻 11 号 p. 1822-1827

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抄録

血管炎症候群のなかで,とくにChurg-Strauss症候群,顕微鏡的PN,悪性関節リウマチの活動期に多発性単神経炎が起こりやすい. vasa nervorumに生じた壊死性血管炎により急性,亜急性の軸索変性が起こることが主な原因である.急性期にステロイド薬を中心とする免疫抑制療法を強力に行うと,寛解することがあるが,治療開始が遅れると病変は非可逆性で,基礎疾患である血管炎が寛解した後に運動感覚障害が残り, ADL (activities of daily living), QOL (quality of life)が低下する.この場合には,粘り強いリハビリを中心とする治療を続けることが大切である.

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