87 巻 (1998) 1 号 p. 154-156
症例は47歳アルコール依存症の女性.自宅にて意識もうろう・尿失禁状態でいたところを発見され来院した.腹部X線上ニボーを伴う大腸・小腸の拡張を認めた.イレウス管挿入・補液にて症状は一時的に改善したが再び増悪した.腹部CTにてS字結腸の狭窄が疑われたが,大腸・小腸造影,大腸鏡検査では器質的病変はなかった.その後甲状腺機能低下症と判明,ホルモン補充療法を施行したところ閉塞症状は軽快した.本例では続発性偽性腸閉塞の原因として甲状腺機能低下症,また誘因としてアルコール依存症が考えられ,興味ある稀な症例と考え報告した.