間質性肺炎は間質の炎症とそれに続く修復過程としての線維化によって正常肺構築の破壊にいたる.このいずれの過程も複数のサイトカインに支配されている.肺細胞や気管支肺胞洗浄液の生化学的,分子生物学的解析が行なわれ,サイトカインと病態の関連が明かにされてきた.しかし,ガス交換という肺の特異的機能は正常肺構築の維持に依存しており,間質性肺炎の病態の理解にはin vivoの解析は欠くことができない.このような問題の解決にはトランスジュニック動物や生体内遺伝子導入法が有用であり,肺間質の炎症や線維化とサイトカインとの生体内での関係が明かにされつつある.このような知見をもとに有効な治療法がない肺線維化に対する新しい治療法の開発の試みが行なわれている.