日本内科学会雑誌
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3.起炎微生物の分璃・同定が難しい感染症の診断法
4)深部真菌症
前崎 繁文河野 茂
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1998 年 87 巻 11 号 p. 2211-2217

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抄録

深在性真菌症は免疫不全患者に発症する目和見感染症であり,早期診断,早期治療が予後に大きく影響する.そのため,血清診断や遺伝子診断などの補助診断法が開発されている.血清診断には(1, 3)-β-D-グルカンやクリプトコックス莢膜多糖抗原などが臨床的に有用であり,アスペルギルス症にはELISA法によるガラクトマンナン抗原検出が試みられている.また,遺伝子診断としてはPCR法による血清中のアスペルギルスDNAの検出がアスペルギルス症の診断に有用と考えられ,今後の臨床応用が期待される.

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