1998 年 87 巻 11 号 p. 2311-2313
症例は58歳男性.発熱,排尿時痛,悪寒を主訴に入院.基礎疾患に糖尿病があり,左肘関節,両肺,肝,腎,前立腺にわたる広範囲な膿瘍形成を認め,血液,採取した膿のすべてから培養にてKlebsiella pueuntoniae (K. pneumonine)を分離した.インスリン治療,抗生物質投与,排膿ドレナージが奏効し軽快退院した.糖尿病を背景としたK. pneumoniaeによる膿瘍形成の症例は多いが,今回のように多臓器への膿瘍形成は稀と思われたので報告する.