日本内科学会雑誌
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2.急性進行性糸球体腎炎
山口 直人室 かおり菊池 修一小林 正貴高橋 秀人小山 哲夫
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1998 年 87 巻 7 号 p. 1254-1262

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抄録

本邦に於ける急速進行性糸球体腎炎(RPGN)の現状および問題の把握を目的として,全国個別症例アンケート調査を施行した. 134施設より計583件RPGN症例得た.一次性半月体性糸球体腎炎は282例(48.3%),全身性疾患や薬剤性などの二次性腎炎は201例(34.5%)であった.男性対女性比は1.0:1.1,平均年齢55.7歳であった. P-ANCAは83.1%で測定され,そのうち陽性率は63.7%であった.治療法では約90%にステロイド療法,約35%に免疫抑制薬療法が行われた.治療開始6カ月後の時点での転帰は透析導入31.5%,死亡21.4%であった.これらのデータを基に,症状,リスクフアクターなどを解析し,早期診断,早期治療開始の為の一助としたい.

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