1999 年 88 巻 10 号 p. 1904-1909
Behçet病は,再発性口腔内アフタ性潰瘍,皮膚症状,外陰部潰瘍,眼病変を4大主症状とする原因不明の炎症性疾患である.本症はHLA-B51との有意な相関が認められるが,その病態形成にあたっては, Tリンパ球の異常反応に基づく好中球機能の亢進が中心的役割を果たすものと考えられる.近年,本症の難治性病態の1つとして,進行性の痴呆を引き起こす慢性進行型の神経Behçetが注目されている.本症は,早期より髄液中IL-6の持続性上昇を示すことから,これにより早期診断を行った上で,メトトレキサートを中心とした治療を行う必要がある.