日本内科学会雑誌
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進行性多巣性白質脳症を合併したAIDSの1例
野地 秀義甲斐 龍幸斎藤 由理恵中澤 敏弘七島 勉丸山 幸夫斎藤 直史
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1999 年 88 巻 11 号 p. 2236-2239

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抄録

症例は36歳,男性で1996年3月よりHIV感染症の診断でジダノシンによる加療を受けていた. 1997年2月,左半身の脱力感が出現した.末梢血液中のCD4陽性リンパ球数は26/μlで,血清と髄液検査では本症例の神経病変の感染源は不明であった.頭部MRIとCT検査で脳病変が大脳白質に限局し圧排効果と造影増強を伴わず本症例は進行性多巣性白質脳症(PML)と診断された.ジドブジン,インディナビルおよび各種抗生物質等を追加投与したが, 1998年6月15日永眠した. PMLは予後不良だが本症例はPML発症後16カ月間生存した.

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