1999 年 88 巻 2 号 p. 269-276
高血圧に関する介入試験成績の発表に伴い,その管理指針は改訂されている.米国合同委員会第6次報告ではangiotensin II受容体拮抗薬が治療薬に加えられ,初期治療に併用療法が導入されるなどの変更がみられ,同時に薬物療法の開始の血圧基準も従来より低く設定されている.最近,至適降圧範囲を検討したHOT試験成績や老年者収縮期高血圧に関するSyst-Eur試験成績も発表されている.本稿では,これらの疫学的成績を基礎に圧管理基準の再評価を行い考察を加える.