2000 年 89 巻 4 号 p. 634-641
ミオクローヌスはしばしば遭遇する不随意運動で,突然起こる急激ですばやい短時間の瞬間的な筋肉の不随意収縮である.四肢・関節の動きを伴わないものから,動きを伴う大きな動きまである.多くは不規則に出現するが,律動的な場合もある.安静時に自発的に生ずるものや,動作時にみられるもの,すなわち動作により誘発されるもの,視覚・聴覚・触覚・精神的緊張・姿勢などで誘発されるものもある.ミオクローヌスには刺激により誘発されるミオクローヌスと,刺激と無関係なミオクローヌスがある.体性感覚刺激や光刺激によりミオクローヌスが誘発されることもあり,高振幅の体性感覚誘発電位や視覚誘発電位を示したり,亢進した長潜時反射を呈すこともある.このような特徴を示すのが皮質反射性ミオクローヌスである.ミオクローヌスを呈す原因疾患には多くのものがあり,これらを鑑別していかねばならない.