2000 年 89 巻 6 号 p. 1077-1082
血小板活性化指標を利用する意義は,各種血栓症の診断的意義に加えて,治療に際してのモニター的な意義があげられる.従来,血小板凝集能の測定やβトロンボグロブリン(βTG)あるいは血小板第4因子(PF-4)の測定が指標として用いられてきた.最近は,血小板活性化に関連する様々な分子マーカーが発見され,その代表的なものが, Pセレクチン, CD63,および活性型GPIIb/IIIaである.活性化された血小板は,その表面上にリン脂質を発現させ,凝固反応が促進される.血小板第3因子は,マイクロパーティクルとともに,血小板に関連したプロコアグラント活性を総称している.蛍光色素で標識したアネキシンVを用いると,フローサイトメトリーによって血小板のプロコアグラント活性を測定することができる.