2000 年 89 巻 6 号 p. 1100-1107
粘着や凝集など血小板機能に重要な役割を演じる血小板膜糖蛋白には遺伝子多型が見られ,この多型が受容体発現量や機能の個体差を引き起こし,脳血管障害や急性冠動脈症侯群などの動脈血栓症の易罹病性と関係する可能性が示唆されている. GPIIb/IIIa複合体(フィブリノゲン受容体)の33Leu/Pro多型, GPIb/IX/V複合体の145Thr/Metや#339-411のアミノ酸反復数多型, GPIa/Ila(コラーゲン受容体)の807T/C多型などがその代表例である.