血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)は溶血性貧血,血小板減少性紫斑,動揺性精神神経症状,腎機能障害,発熱の5徴候を特徴とする疾患で,鑑別困難な疾患として溶血性尿毒症症侯群(HUS)がある.最近, TTPの病因としてvon Willebrand因子(VWF)特異的切断酵素活性の低下が報告され,家族性TTPはVWF特異的切断酵素活性が先天的に欠損しており,非家族性では後天的にこの酵素に対する自己抗体が産生されていることが判明した.一方, HUSではこの酵素活性の顕著な低下は認められなかった. VWF特異的切断酵素活性測定法の確立により, TTPの診断・治療が新たな局面を迎えている.