2000 年 89 巻 7 号 p. 1379-1384
慢性透析療法を受けている60歳以上の患者は全体の38.8%に達した.この増加は,人口の高齢化,腎不全進行予防,透析医療内容の進歩の成果である.高齢透析患者は,合併症が多彩でその重症度も重いことが多い.この患者群を目標とした透析法の開発や,長期合併症予防治療薬の開発などの医学的対策と,通院介護,食事サポート, advanced directiveなど社会的対策との両者が進むことが,高齢透析患者の予後の改善を改善し,患者と家族の医療への期待に応えるために肝要である.