2000 年 89 巻 8 号 p. 1493-1499
糖尿病の分類と診断基準は, 1982年の日本糖尿病学会(JDS)や1985年の世界保健機構(WHO)によるものが用いられてきたが,糖尿病研究の進歩に伴い,既存の分類や診断基準にいくつかの問題点がみられるようになった.そのため,アメリカ糖尿病協会(ADA), WHO, JDSでは, 1997年から1999年にかけてそれらの改定を行った.今回の改定の要点は,分類については臨床的分類から成因的分類への変更とインスリンの必要性に基づく臨床病期の採用,診断基準については糖尿病(型)とする空腹時血糖値基準の変更(≧140mg/dlから≧126mg/dlに)と, JDSではHbAlc値の採択である.