日本内科学会雑誌
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非分泌・非産生型多発性骨髄腫と考えられる1例
鹿島 励根津 雅彦中村 孝司内丸 薫
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2001 年 90 巻 1 号 p. 133-135

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抄録

症例は70歳,男性.繰り返す病的骨折と高度の腰痛から多発性骨髄腫が疑われた.骨髄に形質細胞を45%認めたが,血清,尿中にM蛋白を認めず,骨髄標本の免疫組織化学染色でもκ, λいずれも陰性であった. In situ hybridizationではκのみに陽性で,非分泌・非産生型多発性骨髄腫と診断した.経過上骨髄腫が疑われ, M蛋白が証明できない症例には非分泌・非産生型骨髄腫の可能性を念頭に, in situ hybridizationを施行する必要がある.

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