日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
ISSN-L : 0021-5384
薬剤性肺障害と臨床
杉山 幸比古
著者情報
キーワード: 薬剤性肺炎, 漢方薬
ジャーナル フリー

2001 年 90 巻 1 号 p. 139-144

詳細
抄録

薬剤の副作用は欧米ではadverse drug reaction (ADR)と呼ばれ, type A (pharmacological)とtype B (idiosyncratic)に分類されている. ADRとしての肺病変はきわめて多彩であり,様々なものが知られているが主要なものは薬剤性肺炎と呼ばれる一群である.本邦における薬剤性肺炎は1980年代までは抗癌剤によるものが主であったが, 1981~1990年では,抗生物質によるものの増加が目立ち,さらに1991年以降では,新しいタイプの薬剤の出現を反映して,漢方薬,インターフェロン,抗リウマチ薬, G-CSFなどの多様な薬剤が原因として注目されてきている.診断としては,薬剤リンパ球刺激試験(DLST)が広く行われているが陽性率は50~60%であり,その解釈についても注意を要する.薬剤性肺障害のみならずADRは放置すれば時に致死的となる一方,早期に気付き薬剤を中止し適当な治療を行えば通常は予後良好であり,従って常にその存在を念頭において診療にあたることが臨床医に求められている.

著者関連情報
© (社)日本内科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top