日本内科学会雑誌
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水疱性類天疱瘡と高ガンマグロブリン血症を合併したG-CSF産生肺癌の剖検例
茂森 昌人吉田 忍浅井 哲藤井 要東 克己西川 浩史大谷 由利子井上 文彦古川 裕夫水本 孝雑賀 興慶
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2001 年 90 巻 10 号 p. 2066-2068

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抄録

症例は78歳男性,全身に多数の水疱,びらんを認め水疱性類天疱瘡(bullous pemphigoid: BP)と診断された.血清IgG 3,870mg/dl, γG 45.6%と高値であった.剖検で左肺に未分化型大細胞癌を認め,血中G-CSFは2,680pg/mlと著明に高値を示した.肺癌はG-CSF染色で陽性であり, G-CSF産生肺癌と診断した.間接蛍光抗体法では皮膚基底膜にIgGの沈着を認め,さらに肺癌はIgG染色で陽性であった. BPと肺癌の関連性を考えるうえで興味ある症例と考え報告した.

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