2001 年 90 巻 10 号 p. 2069-2070
特発性血小板減少性紫斑病(ITP)に合併したHelicobacter pylori (HP)感染陽性の胃・十二指腸潰瘍(症例1, 55歳,男性)およびびらん性胃炎(症例2, 58歳,女性)に対してHP除菌療法を施行(2例とも除菌成功)したところ,除菌後著明な血小板増加が認められた.除菌薬剤には血小板増加作用や免疫抑制作用を示すものはないのでHP感染の終息がITPの寛解に結びついたものと考えられ, ITPの原因の一つとしてHP感染の重要性が示唆された.