日本内科学会雑誌
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3.病理
由谷 親夫
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2001 年 90 巻 2 号 p. 207-211

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抄録

急性肺動脈血栓塞栓症は肺塞栓症として古くから知られており,臨床的にも突然死を招くことで現在も注目されている.ウロキナーゼやt-PAの開発応用その上外科的にも手術が比較的容易に行えるようになった.非侵襲的に下大静脈フィルター挿入も次第に普及し,致死率も減少している.一方,臨床的には急性肺血栓塞栓症のエピソードがはっきりせず,労作時呼吸困難で来院した時には既に肺高血圧症があり,内科的には極めて治療困難ないわゆる慢性(反復性)肺血栓塞栓症が最近目立ってきた.急性肺血栓塞栓症の病態を中心に国立循環器病センター病理部での成績を中心に概説した.

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