2001 年 90 巻 4 号 p. 654-658
片頭痛は多因子疾患であるが,その病態形成にセロトニンが密接に関与することが知られている.現在セロトニン1B/1Dレセプターに選択的なセロトニン作動薬が片頭痛の画期的な治療薬として期待されている.本邦でもスマトリプタンの皮下注射薬が認可されたが,臨床効果の持続が短いために再発率が比較的高いことなどが臨床的に問題となる.最近,欧米では新規のセロトニン作動薬が相次いで開発された.これらの第2世代のセロトニン作動薬により,片頭痛治療薬の選択肢がさらに広がると期待されている.